電報マニュアル

弔電の文例厳選50|悲しむ気持ちを伝える状況別お悔やみメッセージ

突然知人の訃報があったものの、通夜や告別式の日程上、どうしても参列することができない――そんなときに役に立つのが弔電です。
弔電を送るなら故人へのメッセージはきちんと考えたいものですが、初めて送るときはどんな文面にすれば良いかわからず難しいもの。また、葬儀の日程が迫っていてすぐに手配しなければならないときは、じっくり考えている余裕がありません。
そんなときは、文例を活用するのが便利です。今回は弔電を送る機会がある人向けに、状況別に文例を厳選してご紹介します。

弔電を送る際のポイント

弔電を送る際の文面で気を付けたいポイントは、「忌み言葉」「敬称」「宗教」の主に3つです。

「忌み言葉」を使わない

葬儀イメージ忌み言葉とは、通夜や葬儀、告別式、弔電などで、使用しないように避ける言葉のことです。
次の言葉は、不幸が重なって起こることや、不幸が再び訪れることを連想させるため、忌み言葉とされています。

重ね重ね、重々、重ねて、たびたび、次々、再び、再三、何度も、また、しばしば、ますます、追って、返す返す、続いて、引き続き、なお、くれぐれも、いよいよ

また、「死亡」「死んだ」「生きていたころ」「生存中」などの直接的な言葉もふさわしくありません。もし使う場合は「ご逝去」「ご生前」「お元気なころ」などの言葉に置き換えましょう。

敬称の使い方

弔電のメッセージで故人について触れるときは、敬称に気を付ける必要があります。
弔電は「故人に宛てて直接出す電報」ではなく、宛先(受取人)は「喪主」です。故人に対する敬称は、受取人にとっての故人との関係がどのようなものかを基準に記します。
主な敬称は以下の通りです。

  • 故人が受取人の実父の場合:ご尊父様・お父様・お父上(様)
  • 故人が受取人の奥様のお父様の場合:ご岳父(がくふ)様
  • 故人が受取人の実母の場合:ご母堂(ぼどう)様・お母様・お母上(様)
  • 故人が受取人の奥様のお母様の場合:ご外母(がいぼ)様・ご岳母(がくぼ)様・ご丈母(じょうぼ)様
  • 故人が受取人の祖父母の場合:ご祖父様・お祖父(じい)様・ご祖母様・お祖母(ばあ)様
  • 故人が受取人の夫の場合:ご主人様
  • 故人が受取人の妻の場合:ご令室様・奥様
  • 故人が受取人の息子の場合:ご令息様・ご子息様
  • 故人が受取人の娘の場合:ご令嬢様・ご息女様
  • 故人が受取人の兄や義兄の場合:ご令兄(れいけい)様・お兄様・兄上様
  • 故人が受取人の弟や義弟の場合:ご令弟(れいてい)様・弟様
  • 故人が受取人の姉や義姉の場合:ご令姉(れいし)様・お姉様・姉上様
  • 故人が受取人の妹や義妹の場合:ご令妹(れいまい)様・妹様

間違いやすい例を挙げると、例えば「友人のお兄さんが亡くなった」場合は、その友人が喪主であれば故人の敬称は「ご令兄・お兄様・兄上様」となります。友人のお父さんが喪主を務める場合は、「ご令息様・ご子息様」となりますので、気を付けましょう。

故人の信仰する宗教を確認する

故人が信仰する宗教によっては、通常の弔電に用いるような文言がふさわしくない場合もあります。仏教以外の宗教を信仰する人には、仏教用語である「成仏」「冥福」「供養」「往生」「ご愁傷様」といった言葉は使用しないようにします。よく耳にする「ご冥福をお祈りいたします」は「死後の幸福をお祈りいたします」という意味合いで、神道やキリスト教などを信仰している人には使えません。
可能な範囲で故人の宗教を確認し、それに合った弔電を送るように心掛けましょう。

一般的な弔電の文例

友人や知人が亡くなったときなど、一般的なシーンで使用できる弔電の文例をご紹介します。

  1. ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
  2. ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。
  3. ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
  4. ご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  5. 在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。
  6. ご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
  7. ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  8. ○○様のご訃報に接し、お悲しみをお察し申し上げますとともに、衷心より哀悼の意を表します。
  9. ○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
  10. ○○様の突然のご逝去の報に接し、驚愕しております。ご遺族の方のお悲しみはいかばかりかとお察し申し上げます。心よりご冥福をお祈りいたします。
  11. ○○様のご逝去のお悲しみに対し弔問かなわぬ非礼をお詫びし、謹んで哀悼の意を表します。
  12. 突然の悲報に接し、驚いております。ご生前のお姿をお偲びし、悲しみにたえません。安らかな旅立ちでありますよう、心よりお祈り申し上げます。
  13. 突然の悲報に接し、誠に痛恨の極みです。ご遺族皆様のご心痛いかばかりかとお察し申し上げます。安らかにご永眠されますよう心よりお祈りいたします。
  14. ○○様の訃報に接し、大変驚いております。いつまでもお元気で長生きしてくださるものと思っておりましたので、残念でなりません。共に過ごした日は、今も私にとって大切な思い出です。心よりご冥福をお祈りいたします。
  15. 突然の悲しいお知らせに呆然としております。お元気で働き盛りだった故人の面影が目に浮かび、いまだ信じられません。ご遺族の皆様もお気持ちを強く持ち、ご自愛ください。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

敬称が入る弔電の文例

自分が遺族の友人や知人という立場で弔電を送るときは、弔電の受取人と故人の関係を踏まえ、敬称の使い方に注意しましょう。

  1. ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。
  2. ご岳父様のご逝去の報に接し、衷心より哀悼の意を表します。
  3. ご母堂様ご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  4. ご岳母様のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。
  5. お姉様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。安らかにお眠りになられることをお祈りいたします。
  6. お兄様のご訃報に接し、お悲しみをお察し申し上げますとともに、心より哀悼の意を捧げます。
  7. ご令妹様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
  8. ご令弟様の突然のご逝去の報に接し、ご遺族様のお嘆きいかばかりかと、拝察申し上げます。謹んでご冥福をお祈りいたします。
  9. ご主人様のご急逝の報に接し、大変驚いております。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
  10. ご令室様の突然のご悲報に接し、お慰めするすべもございません。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます。
  11. ご子息様の突然のお旅立ち、ご家族の皆様のお悲しみいかばかりかと、拝察申し上げます。謹んでご冥福をお祈りいたします。
  12. ご息女様の突然の悲報に愕然といたしております。ご両親様のお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。在りし日のお姿を偲び、心より哀悼の意を捧げます。
  13. 最愛のご令嬢様の急逝の報に接し、悲しみにたえません。在りし日の美しいお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。
  14. ご令息様の突然の訃報に接し、驚きを禁じ得ません。前途洋々たるときに他界され、ご両親様のご無念のお気持ちはいかばかりかとお察し申し上げます。心より哀悼の意を表しますとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
  15. ○○様のご逝去の報に接し、茫然としております。ご遺族様のお悲しみは計り知れないものとお察しいたします。お力落としをお慰めするすべもなく、ただ故人のご冥福をお祈り申し上げるばかりです。

取引先に送る弔電の文例

仕事の関係先に弔電を送る場合は、会社名や代表者名で送るのが一般的です。企業によっては異なるので、上司の指示を仰いでから発注すると安心でしょう。

  1. 社長様のご訃報に接し、弊社社員一同、衷心より哀悼の意を捧げます。
  2. 会長様のご逝去の報に接し、ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。
  3. 貴社社長様の不慮のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。謹んで哀悼の意を表します。
  4. 天寿を全うされました貴社会長様の在りし日を偲びつつ、社員ご一同様に心よりお悔やみ申し上げます。
  5. 貴社社長様のご訃報に社員一同、驚愕しております。ご功労に敬意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
  6. 貴社会長様のご逝去に際し、惜別の念を禁じ得ません。謹んで哀悼の意を捧げますとともに、ご遺族の皆様ならびに社員ご一同様に心よりお悔やみ申し上げます。
  7. 貴社○○様のご急逝の報に接し、社員ご一同様のお嘆きをお察し申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
  8. ○○様のご永眠の報を承り、弊社社員一同、大変驚いております。在りし日のご活躍、ご功績に敬意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  9. 貴社○○様の突然のご逝去の報に接し、当社社員一同、心よりお悔やみ申し上げます。これからも社員皆様がお力を合わせて励ましあいながら、この度のご不幸を乗り越えられることを心よりお祈りいたします。
  10. かねてよりご療養中とは存じ上げておりましたが、この度の○○社長様のご永眠の報に接し、ただ残念でなりません。○○社長様には、弊社社員一同、語り尽くせない恩義を感じております。安らかにご永眠されますよう、心よりお祈り申し上げます。

キリスト教式の弔電の文例

キリスト教式でお葬式が行われる場合、弔電にはキリスト教向けのものを選び、仏教用語を使用しないように注意します。

  1. 神の御許に召されました○○様の、安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。
  2. ○○様のご昇天の報に接し、心より哀悼の意を表します。
  3. ご逝去の報に接し、悲しみにたえません。○○様の安らかな旅立ちとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
  4. ○○様の突然の昇天の報に接し、心より哀悼の意を捧げます。ご家族の皆様の上に主からの深い慰めと平安がありますよう、お祈りいたします。
  5. ○○様と私が出会えたことを深く神に感謝いたします。安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈り申し上げます。

法要や慰霊祭の弔電の文例

弔電を送る場面は通夜や葬儀だけではありません。法要や慰霊祭などにおいても、参加ができずに弔電を送る場合があります。

法要に際して送る弔電の文例

  1. ○回忌のご法要にあたり、故人の面影を偲びつつ、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
  2. ○○様の○回忌ご法要に際し、悲しみを新たにしつつ、遠方より合掌をさせていただきます。謹んで故人のご冥福をお祈り申し上げます。
  3. 故・○○様の○回忌ご法要のご連絡をいただきました。あいにく所用にて参列できず、誠に申し訳ありません。故人の在りし日の面影を偲びつつ、心より哀悼の意を表します。

慰霊祭に際して弔電の文例

  1. ○○慰霊祭にあたり、心より哀悼の意を表し、ここに眠る方々のご冥福をお祈り申し上げます。
  2. この度のご慰霊祭開催に際し、ご尽力いただきました関係者各位に敬意を表します。ご遺族の皆様のご健勝をお祈り申し上げ、心よりご冥福をお祈りいたします。

親しい人が亡くなったときは思い出もメッセージに

弔電の文面には「忌み言葉を避ける」「敬称の使い方に気を付ける」「個人の宗教に配慮する」といった最低限必要なマナーがあります。ご紹介した文例を参考にしながら、マナーに気を付けて自分自身でメッセージを考えるのもおすすめです。
ビジネスシーンで形式的に弔電を利用する場合は、一から文面を考えているよりも、すぐに手配することが求められるので文例を用いるのが便利です。
もし親しい友人・知人が亡くなってしまったときは文例をそのまま使うのではなく、「故人との思い出」をプラスして書くのも良いでしょう。故人のことを偲ぶ気持ちが、より伝わりやすくなります。