電報マニュアル

弔電と香典を両方送るときのマナーと金額|同時に出しても大丈夫?

年齢を重ねると冠婚葬祭に参加する機会が自然と増え、中にはどうしても都合がつかないケースもあるでしょう。親族をはじめ、友人や知人、仕事の関係者などの訃報を知り、通夜または葬儀・告別式に参列できない場合は弔電を手配します。
弔問する場合は香典を持参して渡すことができますが、参列できずに弔電を送るときは香典をどうすれば良いのでしょうか?
今回は、弔電と香典について知りたい人向けに、送り方のマナー、香典の金額の目安をご紹介します。

弔電と香典とは

通夜や葬儀・告別式に参列できるかできないかによって、香典を渡すのか、弔電を送るのかが決まります。また、故人や遺族との間柄によっては両方送る場合もあります。

弔電とは

弔電イメージ親戚や友人、仕事の関係者などの訃報を知ったものの、海外など遠方にいたり、健康上の理由で外出できなかったりといった事情があると、通夜や葬儀・告別式への参列がかなわないことがあります。
「参列はできないけれど、お悔やみの気持ちを伝えたい」というときに送る電報が弔電です。郵便局のレタックス、電話の115番、インターネットの電報サービスで送ることができます。
告別式に参列した際に、弔電のメッセージが紹介されるのを聞いたことはありませんか?一般的に、弔電のメッセージは告別式で読み上げられます。たくさん届いている場合は一部を読み上げ、その他は名前を紹介するのみにとどめられます。

香典とは

香典イメージ通夜または葬儀・告別式の際に不祝儀袋に包んで遺族に渡すお金が香典です。もともと、葬儀の際は霊前にお香などを供えていましたが、いつしか現金を渡すようになりました。また、葬儀代など突然の出費がある遺族に対し、援助する意味合いもあります。
通夜と葬儀・告別式の両方に参列する場合、それぞれに香典を持参する必要はなく、一度にまとめて渡します。通夜と葬儀・告別式のどちらで渡すのが一般的かは地域によって異なります。失礼がないように、あらかじめ渡すタイミングを確認しておくと良いでしょう。
通夜か葬儀・告別式どちらかに参列する場合は、弔問の際に香典を渡します。

訃報を受けたら……

通夜や葬儀・告別式に参列できる場合は香典を持参し、弔電を送る必要はありません。
事情があってどちらも参列できない場合は弔電を送ります。ただし、弔電を送る場合に香典を送るべきか否かについては、故人や遺族との付き合いの深さで異なります。
故人との付き合いが少なかったときは、弔電を送るのみでも問題ありません。故人や遺族と親しい間柄の場合は、弔電を送った上で香典も送ると良いでしょう。

弔電と香典の両方を送るとき

通夜や葬儀・告別式に参列できないとき、弔電と香典はどちらも送るタイミングが重要です。送り方のマナーを知っておきましょう。

弔電を先に送る

弔電を送るときは、できるだけ通夜の開始に間に合うように送ります。どんなに遅くても、告別式までに送るのがマナーです。訃報を知ってから通夜が行われるまでにあまり余裕がない場合もあるので、参列できないことがわかったらすぐに弔電を手配します。
弔電の送り先は通夜や葬儀・告別式が行われる場所です。故人や喪家の自宅で行われる場合は自宅宛てに、斎場の場合は斎場宛てに送ります。自宅宛てに送るときは、準備で忙しい通夜の直前にならないように気をつけます。
なお、葬儀がどこで行われるのわからない場合は、故人や喪家の自宅に送りましょう。

弔電の宛名は故人ではなく喪主宛てです。斎場に送る際は宛名を「(斎場名)気付(喪主名)様」とし、喪主の名前がわからないときは「〇〇家 ご遺族様」とします。

告別式までに弔電の手配が間に合わないときは、電話で遺族に参列できないことを伝えて香典のみを送ります。

香典は後からお悔やみの手紙とともに送る

香典を後から送るときは現金書留を利用します。タイミングは葬儀・告別式後1週間以内がベストです。1週間を過ぎてしまったら、葬儀・告別式から1カ月以内に届くように手配しましょう。三十五日または四十九日に忌明けの法要があり、その際に香典返しが行われ、遺族がいったん落ち着くからです。
香典を送る際はお悔やみの手紙を添え、お金は不祝儀袋に包みます。なお、現金書留の封筒は郵便局の窓口で購入可能です。

弔電と香典の金額目安

弔電と香典の金額の相場についてご紹介します。
香典は故人との関係性や送る側の年齢によって金額が変わりますので、目安として参考にしてください。

弔電はタイプにより値段が異なる

高級御悔やみ電報 銀箔冠婚葬祭で電報を送る際には、それぞれのシーンにふさわしい台紙を選択できます。
弔電には落ち着いた色合いやデザインのものが用いられ、カードタイプのものや布張りのもの、刺繍が施されたもの、金や銀の箔押しがされた高級感のあるものなど、さまざまなタイプがあります。
中には1万円を超える高級なものもありますが、最も種類の多いカードタイプの価格帯は大体1000円~4000円程度です。インターネットで申し込む電報サービスには、文字数によって料金が変わるタイプと、台紙の料金にメッセージ代や送料も含まれているタイプがあります。

香典の金額は故人との関係の深さによって変わる

故人を悼む気持ちを表したいからといって、香典に大きな金額を包むと、かえって失礼に当たることがあります。故人との関係や地域ごとのしきたり、年齢や社会的立場によって、香典の金額は異なります。
以下に金額の目安を挙げますが、「4」や「9」の付く金額は避けましょう。

【親族が亡くなった場合】

両親:5万円~10万円
兄弟姉妹:3万円~5万円
祖父母:1万円~5万円
叔父・叔母(伯父・伯母):1万円~3万円
その他親戚:3000円~3万円

実の親が亡くなった場合、喪主を務めない子供は香典を包みます。
祖父母が亡くなったとき、孫がすでに働いている場合は孫自身で香典を用意します。孫がまだ親に養われている未成年の場合などは、親が包む香典に孫のぶんも含まれると考えて良いでしょう。

【勤務先または取引先の人が亡くなった場合】

上司:5000円~1万円
上司の家族:3000円~1万円
同僚:5000円~1万円
同僚の家族:3000円~1万円
部下:5000円~1万円
部下の家族:3000円~1万円
取引先:5000円~1万円

上司はお世話になった直属の上司ほど包む金額が多くなります。また、年齢が下の後輩や部下にも、多めの金額を包むのが一般的です。ただし、通夜や葬儀・告別式に参列する同僚がいるときは、ある程度金額をそろえるのが望ましいでしょう。
取引先の関係者が亡くなったときは、会社名または社長名で香典を包むか、弔電や供花のみを手配して香典は包まない場合もあります。まずは会社や上司の指示を仰ぎましょう。
個人で付き合いのある担当者などが亡くなった場合は、会社とは別に弔問することがあるかもしれません。付き合いの程度や相手の年齢によって金額を調整します。

【友人や知人、その家族が亡くなった場合】

友人や知人本人:5000円~1万円
友人や知人の家族:3000円~1万円
近所の人が亡くなった場合:3000円~1万円

友人や知人の家族が亡くなった場合は、付き合いの深さや故人と面識があるかどうかで、包む金額が変わります。

大切なのは遺族の都合に配慮すること

香典のマナーは地域によっても違いがあるのが難しいところですが、最も大切なのは遺族の負担を増やさないように配慮することでしょう。葬儀・告別式が終わるまで、遺族は忙しく、つらい立場にあります。お悔やみの気持ちを伝えるにしても、マナーが必要です。
通夜や葬儀・告別式に参列できないときはすぐに弔電を手配し、特に親しかった相手には後から香典も送るようにしましょう。