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電報マニュアル

「ご冥福をお祈りいたします」の意味|ご遺族のことを考えた言葉選び

「ご冥福をお祈りいたします」はお葬式の場面などで幅広く口にする言葉ですが、宗教や宗派によっては作法や流儀が異なるため、使わないほうがいい場合もあります。言葉の使い方に注意したほうがいいのは電報も同じです。
今回は、相手が不快に感じたり違和感を持ったりせずに済む、「ご冥福をお祈りいたします」の使い方と代わりの言葉をご紹介します。
弔問を経験したことがない人や、弔電を送ったことがないという人は、一般常識として知っておきましょう。

「ご冥福」とは?

仏教や道教を由来とする「ご冥福」は、死者に向けて使われる言葉です。日本には仏教系の宗教を信仰している人が約8900万人(『宗教年鑑 平成28年版』文化庁編)いるため、文化に根付いた言葉でもあります。

「ご冥福」の意味

冥福は「故人の死後の幸せ」を指します。「冥」は、「光がなく暗い」「奥深い」などのほかに、「死後の世界」という意味を持つ漢字です。「冥土」や「冥界」とも呼ばれる死後の世界は、亡くなった人の魂がさまよう場所とされています。「福」という字は幸福を表します。

「ご冥福をお祈りいたします」

お悔やみの言葉である「ご冥福をお祈りいたします」は、「死後の幸せをお祈りします」という意味を持っています。「死者が冥土や冥界でさまようことなく、無事に転生できるように」との願いを込めて使われます。
例えば、テレビで著名人の訃報のニュースが流れたときに、「○○さんのご冥福をお祈りします」と耳にしたことはないでしょうか。葬儀や告別式といった弔問の場での会話をはじめ、弔電のメッセージなど幅広いシーンで使われています。
ところが、実は「ご冥福をお祈りいたします」はむやみに使わないほうが良いとされています。それはなぜでしょうか。

「ご冥福をお祈りいたします」は使わないほうがいい?

よく耳にする言葉ですが、「故人や遺族の宗教に配慮する」「故人に対してかける言葉である」といった理由から、「ご冥福をお祈りいたします」は使用を控えたほうがいいとされています。詳しく見ていきましょう。

理由1:故人や遺族の宗教に配慮するため

日本は仏教方式で行われる葬儀が多く見られます。仏教を信仰している人であれば、弔問時などに「ご冥福をお祈りいたします」というお悔やみの言葉を使っても問題ありません。ただし、仏教には曹洞宗や日蓮宗、真言宗など代表的な13宗派があり、宗派によって葬儀などの細かな作法が異なります。13宗派の一つである浄土真宗では、「ご冥福をお祈りいたします」を使いません。

仏教は宗派によって教えが少しずつ異なります。阿弥陀如来(あみだにょらい)を本尊(礼拝の対象とする主要な仏様のこと)としている浄土真宗には、「疑うことなく信じて念仏を唱えれば、死後は浄土に生まれて仏になる」という教えがあります。浄土とは、仏様の住む清らかでけがれのない国土のことです。
つまり、浄土真宗を信仰する人たちにとって冥土は死者がさまよう場所であり、死者にとって望ましくない世界と考えられています。そのため、故人に対して「ご冥福を祈る」ことは敬意を欠く行為にあたるとして使用を避けており、お悔やみには別の言葉を用います。

また、仏教以外の宗教といえば、キリスト教や神道が挙げられます。キリスト教や神道では葬儀の形式が異なるだけでなく、死者に対する考え方も違いますので、仏教用語の「ご冥福をお祈りいたします」は使わないようにしましょう。
特にキリスト教では、一般的に死を神様のもとに召されることとしています。そのため、亡くなったことを悔やむよりも、天国での平安を願います。
亡くなった人の信仰していた宗教が神道やキリスト教の場合は、ご冥福などの仏教用語を使用せず、ほかの言葉を用いるのがマナーです。

理由2:遺族に対してかける言葉ではないため

弔問の参列時に遺族と対面した場合に、「ご冥福をお祈りいたします」と声をかけたことがある人もいるかもしれません。しかし、これは誤った使い方です。
冥福を祈るのは、あくまでも「故人」に対してであり、遺族に向けてかける言葉ではありません。よって、霊前や棺など故人を前にして「ご冥福をお祈りいたします」と言うのは問題ありませんが、遺族に対しては「"故人の"ご冥福をお祈りいたします」と言葉をかけるのがマナーです。

訃報を受けて弔問したり、弔電を送ったりするときには、故人の宗教や宗派がわからないことのほうがおそらく多いでしょう。遺族の中には気にする人もいるので、お悔やみを述べる際は「ご冥福をお祈りいたします」に代わる言葉を選ぶことをおすすめします。

「ご冥福をお祈りいたします」に代わるお悔やみの言葉

実際に例文を用いながら、弔問の場合と弔電の場合に分けて、「ご冥福をお祈りいたします」の代わりになるお悔やみの言葉をご紹介します。

弔問の場合

仏教形式の葬儀や告別式では「このたびはご愁傷様でございます」「このたびはお悔やみ申し上げます」などを使います。
なお、キリスト教を信仰する人の場合は「死=神のもとに召される」という考え方があるため、「このたびはお悔やみ申し上げます」もあまり使いません。遺族へ挨拶する際は「このたびはお知らせいただき、ありがとうございます」とだけ伝えるか、「天に召された(故人名)様の平安をお祈りいたします」「(故人名)様の安らかなお眠りをお祈りいたします」などと述べるのが良いでしょう。
また、神道を信仰する人の場合は、「御霊(みたま)のご平安をお祈りします」「お力落としのないように」などの言葉が無難です。

突然の訃報には誰もが戸惑うもの。いずれの場合も弔問の挨拶では感情的になりすぎず、その場にふさわしい言葉を述べることが大切です。

弔電の場合

分け隔てなく使える表現

「哀悼の意を表します」「哀悼の意を捧げます」は、相手の宗教・宗派にかかわらず、分け隔てなく使うことができます。

キリスト教を信仰していた人に送るとき

分け隔てなく使える「哀悼の意を表します」のほかに、「安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます」「安らかな旅立ちになりますよう、心からお祈り申し上げます」などの表現を使います。

弔電を打つ際は、「死」などの直接的な表現や忌み言葉も使わないように注意が必要です。受け取った親族にわかりやすいように、「(故人名)様と中学生時代の旧友であった(自分の名前)です」と添えたり、差出人名に「○○高等学校 ××年卒業」と付け加えたりするなど、故人との関係性も明記すると良いでしょう。

ご冥福の意味を理解して、言葉選びに気をつけよう

現在の日本では、多くの場合、仏式で葬儀が行われます。とはいえ、同じ仏教でも浄土真宗では教えや作法が異なります。また、キリスト教や神道を信仰する人もいますので、弔問や弔電の送付においては、各宗教と宗派のマナーにのっとることが大切です。
「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は、相手が浄土真宗以外の仏教を信仰していることが確実にわかっていれば使っても問題ありません。しかし、異なる宗教を信仰している場合や、宗教・宗派がわからないときは、違う言葉を使ったほうが良いでしょう。弔問時に挨拶する際や弔電を送るときは、遺族のことを考えた言葉選びを心掛けてください。